2008年12月 中川貴文 展 ~福井県・敦賀にて~ 記:田島征彦

2008年12月

中川貴文 展 ~福井県・敦賀にて~ 記:田島征彦

 

貴文君の母悦子さんが学生時代に田島の講演でサインをもらう。30年後、貴文君も田島の講演でサインをもらい、親子で田島作品のファンであった。2008年京都で田島征彦展(於ギャラリーヒルゲート)を開催中、会場向い側の額縁屋に居た悦子さんは、田島を見つけて駆け寄り、旅立った貴文君と個展のことを話し、そこで田島は貴文君の作品と出会う。

 

 

 瀬戸内の淡路島から、日本海の敦賀へ、中川貴文展を見に行った。美大の四年生の突然の旅立ち。ご両親のお気持ちはどんなだったか、胸が引き裂かれる想いだ。

会場の設営や作品展示を、京都芸大の同級生八名がかけつけてくれた。ご両親にとって、どんなに嬉しかっただろうか。ぼくも救われる気持ちがした。

 

  さて、中川君の作品だが、素晴しい才能が会場からあふれるばかりだった。特に「青春18景」等に描かれた小さな(ハガキ大)作品群の生き生きとした筆致。独特の優しい色彩。 そして、天才的と言っても良い描写力。こんな仕事を、喜びに満ちあふれて制作してこられた彼が何故・・・。

 

何度も会場を廻りながら、少しずつ彼の苦悩の息が聞こえてくるような気がした。ものを創る人間の心の深いところでの葛藤、創作の苦しみ、自信喪失。それは親友や、両親にさえ理解してもらえない。 中川君にとって見当違いな想像かもしれないが、ぼく自身の人生に何度も襲ってきた絶望の思いを振り返って、たまらない気持ちが淡路へ帰り着くまで続いていた。

 

 

福井新聞 2008年12月19日


 
「マンドリル親子」
京都市立芸術大学制作展(2回生)

田島征彦さんとの出会い ~2009年8月~ 記:中川 一朗・悦子

 2008年5月末、田島征彦さんと貴文の作品が出会いました。

 

その出会いの五日前、わたしは貴文の持ち物のなかに『絵筆にかけた青春 高畑正遺作集』という本を見つけ、見開きの黄色いページに筆ペンで黒々と書かれた「中川貴文くんへ」という、著者田島征彦さんのサインを見て驚きました。

 

貴文の学んだ京都市立芸術大学の先輩である田島先生のサインをわたしも京都女子大学の学生であった30年前、先生の型絵染めの処女作絵本『祇園祭』にいただいていたのです。

 

  2007年末に帰省した貴文は「田島征彦さん、いいな」とぽつっと言っておりました。わたしもそのとき、貴文も兄の香太朗も小さい頃は、田島先生の絵本「じごくのそうべえ」が大好きで、よく寝る前に父親が読み聞かせていたことなどを話しました。けれども、ともに高畑正さんについての講演をお聞きし、そのお話に心を動かされて著書にサインをいただいていたことはお互いに知りませんでした。

 

  貴文が大学で制作した大きな作品は、額装してから敦賀に運ぶことにしましたので、その日も寺町の額縁屋さんに伺いました。店内から出てきたところ、「田島征彦展」の看板が目にとびこんできました。偶然というには、あまりの出会いに胸がどきどきしましたが、貴文も田島先生の新作をぜひ拝見させていただきたいことだろう、と思い切ってギャラリーにお伺いしました。そうしましたら、思いがけず二階に先生がいらっしゃったのです。 先生は、ご自分の個展の開催中にもかかわらず、向かいの額縁屋さんにおかせていただいている貴文の作品を見てくださいました。そして、12月には敦賀まで「中川貴文展」を見に来てくださいました。

 

  貴文は、2008年4月27日に旅立ちましたが、「中川貴文展」は敦賀高校美術部時代の作品や京都芸大で制作した日本画作品のほか、イラストや漫画、似顔絵作品、友人にあてたユーモラスな年賀状など貴文らしさの伝わる展示を心がけ、今一度貴文に会いにきてほしいとの願いをこめて12月に敦賀市で開催しました。貴文の初の個展です。 幼い頃から大学にいたるまでの友人、先生、地域の方々や、また福井新聞の記事をみた方などほんとうに多くの方がいらしてくださいました。

 

 会場全体をつつんでいたあたたかくなごやかな雰囲気、どこか明るくすがすがしいような空気から、またいただいたご感想から、いきいきとした貴文が伝わっている、今、絵を見てくださっている人々と交流している、と実感できました。

 

  展覧会のあと、田島先生の奥さまの英子さんから、戦没画学生の作品を展示している「無言館」のことを教えていただきました。館長の窪島誠一郎さんのお言葉のように、まさに絵は「作 品にこめられたもうひとつの生命」であり、「その絵があるかぎりこの世に生きつづける」のだな、と思いました。多くの方々のお力で開催できた「中川貴文展」は、わたしたち家族にとって力強い光をともしてくれたと心から感謝いたしております。

 

  来年8月10日~15日に京都で開催いたします貴文の個展は、田島先生とのこんな出会いがありました「ギャラリーヒルゲート」を会場とさせていただくことになりました。また、ご高覧いただけますと大変うれしく思います。

福井新聞 2009年12月25日

「Dear World」シリーズ

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青春18景

窓ガラスの青春
窓ガラスの青春
青春Dance
青春Dance
ふたつのeffort
ふたつのeffort
無題
無題
放課後の1ショット
放課後の1ショット
Running
Running
部活帰り
部活帰り
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catch
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風車の見える風景
風車の見える風景
ポケットマネーの青春
ポケットマネーの青春
ドリブル
ドリブル
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